磨き抜かれたゴマ
また「うすたれ(薄垂れ)」というのもある。
垂れ味噌は「味噌1升と水3升5合を煮て3升とし、袋に入れて しぼった汁」、薄垂れは「味噌1升に水3升を加えてもみ立て袋に入れて垂れる汁を集めたもの」といわれる。
このように、醤・味噌・溜り・垂れ味噌・薄垂れなど醤油の神話時代を構成していたわけである。
醤油は要するに、「醤の油(液汁)」の意で、これらの味噌の派生調味料をさすわけだ、この字がはじめて使われるのは16世紀の終りで、わりに新しい。
この時代の醤油どんなものだったか、いまとなっては知るよしもない、とにかく語源からも、起源からも、醤油日本でつくられた生粋の日本人の発明であることはない。
中国や朝鮮から学んだ醤は、醤油となってはじめて外国の手法から独立し、日本人のものとなったのである。
覚心鎌倉時代に紀州由良で径山寺味噌の製法を伝えたことは前に書いた、味噌から派生した醤油も自然、この地でまず発達した。
由良の隣の湯浅では覚心が味噌を伝えてから約3十年後には溜りをつくって売り出していたといわれる。
また、それから約3百年後の天正14年、湯浅の赤桐右馬太郎は百石を製造して大阪で売ろうとした、大阪の人はまだ醤油を使っていなかったので、売れなかったというから、この辺が醤油の誕生時代と目していいだろう。
永禄年間(1558上89)に野田で、天正2年に市川で、14年に湯浅で、15年に播州竜野で、という ように醤油は各地でつくられていった。
江戸時代、江戸は急激に膨脹しても、それまでの文化の中心であった上方文化の影響を受けた。
そんな中でヽ上方の醤油は酒と並んでヽ上方文化の代表のような形で江戸へ浸み込んでいった当時は、銚子や野田の醤油はだいぶおくれていたからでもあろう。
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